2020年4月1日に施行された民法改正(債権法)により、住宅ローンに関連する連帯保証人制度が大きく変わりました。特に太陽光発電システムを搭載した住宅を購入する際には、売電収入の発生により「事業」に該当するケースもあり、特別な手続きが必要となる場合があります。この記事では、民法改正の影響や太陽光発電システムを搭載した住宅を購入する際に押さえておくべきポイントについて詳しく解説します。
民法改正と保証人制度の主な変更点
2020年4月1日に施行された民法改正により、120年ぶりに連帯保証人制度が大きく変更されました。この改正は、保証人の保護を目的としています。
1. 極度額のない個人の根保証契約は無効
民法改正によって、個人が根保証契約を結ぶ際には、保証人が支払う金額の上限である「極度額」を設定することが義務付けられました。極度額が定められていない場合、その保証契約は無効となります。住宅ローンでは、連帯保証人が必要となることは少ないですが、収入合算などのケースでは注意が必要です。
2. 公証人による保証意思確認の手続き
事業用融資において、第三者が保証人になる際には、公証人による保証意思の確認が必要になりました。これは、保証人が予期せぬ多額の負担を背負わされないための保護措置です。この手続きには「保証意思宣明公正証書」の作成が必要で、特に太陽光発電システムを搭載した住宅で売電収入がある場合には注意が必要です。
民法上の「事業」の定義と住宅ローン
民法上、「事業」とは「一定の目的をもってされる同種の行為の反復継続的遂行」とされています。
これにより、住宅ローンでも事業に該当する場合があります。
太陽光発電システム搭載住宅と民法上の「事業」扱い
太陽光発電システムを搭載した住宅を購入し、そこで売電収益が発生する場合、これは民法上の「事業」に該当することがあります。この場合、住宅ローンに連帯保証人が必要となることがあり、保証人の意思確認手続きや公正証書の作成が必要となります。
住宅ローンでの連帯保証人と連帯債務者の違い
住宅ローンでは、近年、連帯保証人を必要とするケースは減っています。しかし、収入合算者がいる場合や特定の条件下では、連帯保証人が必要になることがあります。特に太陽光発電システムの導入により、住宅が事業目的に該当する場合には注意が必要です。ここで知っておきたいのは、連帯保証人と連帯債務者の違いです。連帯債務者は、ローンの返済責任を主債務者と同等に負う人で、連帯保証人とは異なる法的責任を持っています。
公正証書作成時の注意点と費用
太陽光発電システムを搭載した住宅の購入で、売電収入が事業に該当する場合、公正証書の作成が必要になります。公正証書の作成手続きには、通常2週間ほどかかり、費用は数万円にのぼります。住宅ローンの申請や手続きをスムーズに進めるためにも、早めに資金計画に組み込んでおくことが重要です。
まとめ:太陽光発電システム搭載住宅購入時の民法改正の影響
太陽光発電システム搭載住宅を購入する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
・民法改正により、連帯保証人制度が大きく変更されていることを理解する。
・売電収入が発生する場合は、民法上「事業」として扱われ、連帯保証人が必要になるケースがある。
・公正証書作成や保証意思確認の手続きが発生する場合、事前に十分な準備をしておく。
住宅ローンに関連する手続きは複雑ですが、事前にこれらの情報を理解しておくことで、安心して太陽光発電システム搭載住宅を購入することができます。
この記事が、あなたの住宅ローン選びの参考になれば幸いです。