映画レビュー|『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』——恐怖のその先に、“真実”がある。

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最初に『死霊館』を観た時、ただのホラー映画だと思っていた自分をぶん殴りたくなりました。
あまりにも衝撃的で、怖いのに目が離せなくて、気づけばシリーズを一気に制覇していたんです。

それからというもの、気づけばジェームズ・ワン監督の作品を片っ端から観ていく日々が始まりました。
そんな中でも、今回紹介したいのが『死霊館 悪魔のせいなら、無罪(The Conjuring: The Devil Made Me Do It)』。この作品、シリーズの中でもかなり異色で、でもだからこそ強くおすすめしたい一本です。


◆「悪魔のせいなら、無罪」…!?衝撃の実話がベース

この映画の最大の見どころは、なんといっても「実際にあった事件」をベースにしていること。

1981年、アメリカで起きた実在の殺人事件。その裁判で被告側の弁護士が「悪魔に取り憑かれていた」として無罪を主張した——これは全米初の“悪魔のせい”による無罪主張だったのです。
フィクションのように思える話ですが、背後にはウォーレン夫妻が関わった実際の記録が存在します。

そう、『死霊館』シリーズの主軸であるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が、この事件にも深く関わっていたのです。


◆シリーズの中でも、異色のサスペンス要素

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』は、これまでのシリーズと少し違い、“家に取り憑く霊”だけでなく、“人間の罪”と“悪魔”の境界に切り込んでいきます。
ホラーというよりも、超常現象を追うサスペンス・スリラーの色合いが強く、シリーズファンでも新鮮に感じられるはず。

ウォーレン夫妻がただ霊と向き合うのではなく、“真実を証明するために”戦う姿は、どこかヒーロー映画のような熱さすら感じます。


◆「怖いだけじゃない」。それが『死霊館』シリーズの魅力

個人的に『死霊館』シリーズの最大の魅力は、「怖さの先に人間ドラマがある」ところだと思っています。

エドとロレインの絆、彼らが命を懸けて人々を救おうとする姿勢には、毎回胸を打たれます。
今回も例外ではなく、むしろエドの体調の問題や、ロレインの“視える力”がどれほど過酷なものかが描かれ、これまで以上に感情移入してしまいました。


◆最後に

『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』は、「ホラー映画=怖いだけ」と思っている人にこそ観てほしい作品です。
実話ベースの重厚なストーリー、ウォーレン夫妻の深い絆、そして人智を超えた“何か”と対峙するスリル。どれを取っても一級品。

もしまだ観ていない方がいたら、ぜひこの機会に。
そして、観た後にはシリーズを振り返って、もう一度最初から見返したくなるはずです。
…はい、私がそうでした。

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