資産形成を20代から始めるメリットと、長期投資・分散投資について。

FP

『人生100年時代』

長い人生を見据え、明るく穏やかな未来を過ごすための備えとして今こそ考えたいものが「資産形成」です。これからは資産運用によってお金を増やすことも検討する必要があります。
昔は銀行の定期預金に預けるだけで増えた時代もありましたが、今の低金利ではあまり効果は期待できないでしょう。ひとことで資産運用と言っても、年代によって置かれた状況が異なるため運用の形も異なるため、今回は20代の若者にスポットを当てて解説していきたいと思います。

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20代は長期投資の観点から、資産運用を有利にすすめるチャンス!

投資期間が長いということは資産運用において有利に働く要素のひとつであり、20代は定年退職まで30年以上あると想定した場合においては運用期間を十分に取ることができます。
社会人になって間もない20代の貯蓄額はまだ少ないことが多かったりしますが、結婚して間もない人は結婚・出産・子育てなどにかかる支出費用の比較的軽いため、一般的な40代と比べるとお金の自由度は高いでしょう。
20代は「運用期間が十分取れる」を味方につけることで、少額からの資産運用が始めやすい年代であると言えます。


<資産運用の注意点>
投資についての知識が少ないなかで無理な運用をすると、本来なら避けられたはずの失敗をしてしまう可能性が高くなります。
毎月1万円を30年間積み立てるだけでも360万円になり、さらに運用利回りが元本に上乗せされます。
少額でも長期運用を続けていれば大きな金額になりますので、最初から大きな金額でスタートするのではなく、まずは月々の収入に対して無理のない金額から始めると良いでしょう。
20代のうちに投資の勉強を始めることも意識しながら、少額をコツコツを積み立てていくことをお勧めします。

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リスクを抑え、資産形成を有利にすすめるための3つのポイント。

投資にはリスクもあり、市場の動向によっては増やすべきはずの資産に損失が生じることがあります。
ここでは、リスクを抑え資産形成を有利にすすめるために理解しておくべきポイントをお伝えします。

・資産の分散
資産運用の有名な格言に『卵はひとつのカゴに盛るな』があります。
卵をひとつのカゴに盛ると、そのカゴを落としたときに全部割れてしまう可能性があるため、複数のカゴに分けて盛っておけば、ひとつのカゴを落としても他のカゴに盛られた卵からひよこが産まれ鶏に育つ可能性があるという意味です。資産運用においても1つの株や投資信託に集中して投資するのではなく、複数の商品に分散投資する方が良いとされています。
複数の金融商品を組み合わせることをポートフォリオと言い、投資信託や株式・債券など具体的な商品の、詳細な組み合わせを検討し実行することを「ポートフォリオを組む」と言います。
リスクの動きが同じ2つの資産に同じ比率で投資をしてもリスクはそのままですが、リスクの動きが概ね反対の2つの資産に投資をすればリスクに大きさは抑制されます。
分散投資とはリスクの動きが異なる資産に分散して投資をすることで、双方のリスクの一部を打ち消し合い、運用資産全体のリスクを抑える投資方法のことです。

・長期に保有
長期間の投資は、短期間の投資と比べて値動きのフレ幅が小さくなり、安定的な収益が期待できるとされています。複利運用は利息を元本に組み入れるので、同じ利回りでも利息はだんだん増えていくことになります。

・時間の分散
ある商品を定期的に、一的金額を継続的に購入する手法を「ドル・コスト平均法」と言います。複数回に分けて購入することで、平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。

<ドル・コスト平均法の考え>

基準価額の推移(1万口あたり)
毎月10,000口ずつ積立てた場合
毎月10,000円ずつ積立てた場合
リンク先 楽天証券 https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/saving/merit.html

つみたてNISAとiDeCo(確定拠出年金)


長期投資に有利な商品として「つみたてNISA」と「iDeCo]」があります。
投資で得た利益には税金がかかりますが、つみたてNISAとiDeCoには税制上の優遇措置がありますので、ぜひ有効活用しましょう。

・つみたてNISA
毎月1,000円からスタートでき、解約しても数日で現金化できます。
低コストで長期運用に適した商品から選べ、年間40万円まで非課税投資ができます。非課税期間は最長で20年間です。
解約のタイミングによっては投資元本を下回る場合があります。

・iDeCo
掛け金は全額が所得税控除の対象となるため、年末調整や確定申告で税金の還付を受けることができます。運用資金を年金で受け取る場合は「公的年金控除」、一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます。
原則、60歳まで引き出し(中途解約)はできません。

まとめ

今回は20代にスポットを当ててライフステージや、資産運用を始める際の基本となる考え方について解説しました。そのなかで最も大切に考えるべきことは、「時間を味方にできる」という点にあります。
税制優遇を上手に利用して少額から始められる「つみたてNISA」や「iDeCO」で長期・積立・分散投資を始めてみることも選択肢のひとつとして挙げられます。
仕事の面でも忙しい20代は、資産運用に多くの時間をかける余裕はないかもしれません。そんなときは日々の運用をプロが代行してくれる投資信託なども利用しながら、無理なく経験を積んでみてはいかがでしょうか。