失敗や損をしない住宅ローンを選ぶポイントは、頭金・借入金額・事前審査は複数に出すこと。

FP

こんにちは。
現役銀行員FPのあきづき佐保です。
これから住宅を購入して住宅ローンを組む人が、できるだけ失敗しない・損をしないポイントをお話します。

住宅を購入して数年後にローンの支払いが厳しくなってしまう人の多くは、頭金を多く入れ過ぎだったり諸費用上乗せで多めに住宅ローンを組んでしまっている様子が窺えます。
後から「最初に住宅ローンの組み方、失敗した。。。」なんてことにならないためにも、営業担当に任せきりにするのではなく、ご自身のライフプランやリスクをしっかりと押さえたうえで住宅ローンを選ぶようにしましょう。

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なるべく頭金を入れない。

一般的には住宅購入資金の2割程度の頭金を準備する方が良いとされてきましたが、はっきり言って人生何が起こるか分かりません。
家を買った途端に病気で働けなくなるかもしれない。交通事故に遭うかもしれない。はたまたリストラされるかもしれない。何かが起こったときに1番頼れるものは「現金」です。少なくとも額面給料の6ヶ月分くらいは手元に置いておきましょう。
とは言え、貯金が250万円で頭金に200万円使うことはリスクでしかありませんが、貯金500万円あって200万円を頭金にする場合は手元に余裕資金が残るので良いと思います。

どうしても住宅ローンの金額を減らしたいのであれば、ある程度生活が安定してきたタイミングで一部繰上返済をすれば残高は減らせます。
その場合の注意点としては、期間短縮(返済期限の繰上)を選ぶ際には、残存期間が住宅ローン控除の期間より短くならないようにしましょう。
せっかくの控除が受けられなくなってしまう可能性がありますから。

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借りる金額は毎月の返済額で決める。

事前審査は物件以外の内容で審査します。
営業担当は、事前審査が通った=個人信用に問題が無かったことが確認できると一気に話を詰めてきます。見積もりからプランニングの回数を重ねる毎に金額が増えることは一般的な話としてありますが、金額が増えるということはそれだけ多く借りるということになり、当然ながら毎月の返済も増えます。


審査の目線には「返済負担率」があります。返済負担率は、年収に対して全ての借入の年間総返済額の割合のことで、この割合が低ければ低いほど良いとされ、高いと借り過ぎという判定になります。
金額が増えると返済負担率が高くなり、借りる側の条件が悪くなってしまったことで最初の金利よりも高い金利を提示してくる金融機関もあります。

その場の雰囲気に流されず、これからのライフプランをしっかり立てて毎月余裕がある範囲内で予算を決めて購入を進めていきましょう。

住宅ローンは「いくら借りられか」ではなく、「いくらなら毎月余裕を持って返済していけるのか」で決めることが大切です。

事前審査は複数の銀行で出して比較する。

購入する物件がある程度決まってくると、営業担当は自社と提携している銀行で事前審査を出そう促してきます。ここで気をつけることは、事前審査を複数の銀行で出して欲しいということです。

住宅ローンの条件は銀行によって違うため、A銀行だったら0.45%で借りられるのに、B銀行は0.6%になるなんてことはよく聞く話です。
保証会社に支払う保証料についても、保証料一括支払型(外枠方式)・金利上乗型(内枠方式)・事務手数料型と選べる銀行もあれば、事務手数料型の一択のみという銀行もあります。
必ず3つの銀行に審査を出して、ご自身にとって損をしない条件で住宅ローンを選んでください。


なぜ「3つの銀行」なのかという理由ですが、2つだと少なくて4つ以上だと逆に銀行から怪しまれてしまうからです。銀行は審査の際に必ず個人信用機関に照会かけます。当然その履歴は残りますので、あまり多くの銀行に審査を出してしまうと「何かあるのではないか?」という疑いを持たれてしまい、それだけで審査に通らなくなる可能性が出てきます。そうならないように審査は3つにしておくほうが良いでしょう。

不動産の営業担当や銀行員は「自社商品の営業・販売のプロ」であって、プランニングのプロではありません。
住宅を購入して数年経ってから「住宅ローンの組み方失敗した…」なんて後悔しないためにも、しっかり見極めて慎重に選ぶようにしましょう。
今回のこの記事が、これから住宅ローンの事前審査を出そう考えている人の参考になれば幸いです。

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